建築業と一言でいっても、その仕事内容は多岐にわたります。
設計などをする頭脳タイプと、現場で体を動かす職人タイプというとイメージできるのではないでしょうか。
この記事では建築業の仕事内容を職種ごとに説明しつつ、今人気のサイディング工事についてわかりやすくお伝えします。
建設業の仕事（頭脳タイプ）
建築設計
建物を設計をする「建築士」とは、資格の名称のことをいいます。
一級建築士・二級建築士・木造建築士といった国家資格を取得し、その仕事に就いている人のことです。
建築士の仕事内容は建築物の設計や工事の監理。
設計ソフトや手作業で図面を描いたり、模型を使い設計をしたりと、さまざまな方法で建物の大体の構造を作っていきます。
作成した設計図や予算の見積もりなどに対して、お客様からOKを貰えたら施工に入ります。
建築士は、各工事を担当する現場監督や施工管理技士の方と打ち合わせをしたり、工事全体の進み具合を確認したりします。
建物の設計に加え、職人さんとの調整や現場の状況を把握する能力が必要になる頭脳タイプの代表の仕事です。
積算業務
積算業務とは建設工事の費用を算出することで、人材や材料費、工事費の算出、価格交渉などをおこなう業務です。
材料費を積算する際は設計図書や仕様書を確認し、必要な材料の数量を算出するため、建築分野に関する知識が必要です。
また工事に必要な人員数を賃金相場から人件費も算出するため、現場での動きも熟知しておくことが求められます。
工事の費用を最大限に抑え、どれくらい利益を出せるかを考えることは会社にとっては必要不可欠な仕事です。
建築積算士という、材料費や工事費の積算業務において、高度な技術を持つスペシャリストとして認められる資格があります。
施工管理
施工管理の大きな仕事内容は工程管理、安全管理、品質管理、の3つ。
作業の進め方や作業員の人員、必要な重機の手配といった管理をおこなうのが工程管理です。
安全管理は建設作業にあたる作業員の安全を守るために、必要な設備や環境を整えることをいいます。
品質管理とは、建設で使用する材料の寸法や品質が、設計図書や仕様書にある規格を満たしているかを管理し、経済的に建設するための業務です。
施工管理者としての仕事が、建物全体の工期と完成度にかかわるといっても過言ではありません。
建設業の中でも頭を使うやりがいのある仕事といえるでしょう。
建設業の仕事（職人タイプ）
大工
大工の仕事は、建物の骨組となる柱や梁、床などの下地を、木材でつくることです。
具体的な仕事内容は作業所でおこなう「加工」と、現場で行う「組立」の2つ。
重い資材を扱うための屈強な筋力と体力、そして繊細な職人技術が要求されます。
大工になるために、必要な資格は特にありません。
多いのは、専門学校などで技術や知識を学んだのちに、建築会社や工務店に就職する方法と、親方と呼ばれる大工の棟梁に弟子入りして現場で技術を学んでいく方法です。
必要な資格はありませんが、何年か大工として仕事をする中で培われた技能を示すことができる資格として「建築大工技能士」などがあります。
左官
左官とは、建築物の壁や床にモルタルやセメント、土などをコテを使って塗り上げていく職人をいいます。
左官になるには左官工事会社などに入り、見習からスタートするのが一般的です。
大工と同様に、特別な資格がなくても職人としての仕事はできますが、国家資格である左官技能士の資格を取得することで、技能のレベルを証明することができます。
外壁工
外壁工事とは、建物の屋外側の壁に関する工事のことです。
新築の外壁の塗装ををおこなうだけでなく、劣化した外壁を修繕したりリフォームしたりといった仕事もあります。
外壁工の仕事は資格がなくてもおこなえますが、塗装には塗装技能技師という国家資格があります。
外装工事をおこなう際は国土交通省に申請しなければならない、塗装工事許可が必要です。
また、足場を組み立てる際には足場の組み立て等作業主任者もいなければなりません。
建物の見た目の美しさを保つだけではなく、室内の温度を調整したり、台風や大雨から家を守る役割をしている外壁工事は、とてもやりがいのある仕事です。
人気急増中？サイディング工事！
サイディング工事とはサイディングボードと呼ばれる壁材を建物の外壁に貼り合わせていく外壁工事のひとつです。
サイディングは窯業系・木質系・金属系・樹脂系の4種類があり、一般的な住宅では窯業系のサイディングが使われていることが多く、全体の80%を占めています。
職人の仕事は資格が必要だったり、スキルがないとできないと考える人もいるかもしれませんが、サイディング工事の仕事は未経験から始めることが多い仕事のひとつです。
足場を設置したり、サイディングを運んだり、体を動かす仕事がメインな仕事で、最初は複雑な仕事はありません。
親方や上司の元で仕事を覚えることで少しずつできることが増えていく仕事です。
まずは工事の流れを理解して、徐々に専門の知識を蓄えていけばいいので、資格やスキルなどは最初は心配せずに前向きに取り組みましょう。
