これから未経験でサイディング工事の仕事を始めようと考えてる方へ、サイディング工事がどういう仕事なのかを知っておくことが大事です。今回の記事ではその中でもメリットとデメリットについて掘り下げて解説していきます。
サイディング工事とは?
まずサイディングとは建物の外壁に使用する外壁材の一種のことを言い、一般的に多いのはセメント製や金属製のものを指します。
外壁の施工方法は2種類あり、【湿式】と【乾式】があります。サイディング工事では、板を決まったサイズにカットして外壁に貼り付けていく【乾式】の施工方法を使います。
工場であらかじめ作られた板をサイディングボードと呼びそれを壁に貼っていくことで外壁ができあがります。性能としてはサイディングボードをカットしてつなぎ目をしっかりと埋めることで、板の貼り合わせ部分があったとしても雨漏りや剥がれることを防止することができます。
サイディングのメリットとは
外壁材としてのサイディングのメリットはいくつかあります。
まず工事期間の短さと工事価格の安さが最大のメリットです。サイディングは工場で表面の塗装までおこなわれた状態のパネルを防水工事の仕上げとして外壁に貼り付けるので、現地で細かい作業をしなくて済みます。なので工事期間が短縮することができます。
さらに期間が短いのに加えてモルタルのような技術が必要ではないので人件費が比較的安く抑えることが可能です。そして外壁材の大量生産によって原価が抑えることができるといったところからサイディング工事は費用を安くすることができます。
サイディングは耐久性と耐天候性に優れていたり種類やデザインが豊富です。さらには工場生産ということもあり品質が安定しています。
サイディングのデメリットとは
サイディングのデメリットはボードのつなぎ目のコーキング部分の弱さがあります。
サイディングそのものは塗り壁と比べ劣化に強く、メンテナスの頻度としては7~10年に1度くらいとなってます。これだと結構長く持つと思われますが、実施にはサイディングボードの表面ではなくコーキングの劣化が始まってしまうため早いと5~7年でひび割れがでてしまったり、剥がれてしまうこともあります。
コーキングが劣化するとなにが起こるかというと、台風などで強風や雨風がふいたときに、ボードとボードのつなぎ目から雨水が入ってしまい雨漏りの原因となってしまいます。
ただサイディング自体は外壁材の中でもデメリットが少ないため多くの住宅で使用されています。サイディングボードだけではなくて、コーキング部分の定期点検や打ち増し、打ち直しをすることでより長くメンテナンス期間を伸ばすことができるのと不測の事態を減らすことができます。
サイディング工事の種類について
サイディング工事の種類は大きくわけて4つあります。
シーリング工事
シーリング材のみが劣化している場合におこなわれる工事です。
シーリング工事は古くなったシーリング材をすべて撤去して、新しくシーリングを打ち換えする方法と古くなって目減りしたシーリングを足して増し打ちする方法があります。
増し打ちする方法は早期にひび割れするなどの原因になるのでおすすめは打ち換えです。もし増し打ちを提案された場合は一度業者に確認するようにしましょう。
シーリング材はサイディング住宅の外壁の板の間やサッシ周りに必ずあって、紫外線や熱により最初に傷みだす部分になります。
表面の劣化は少なくても、シーリング材のみが劣化していることが多くあります。そのためもしシーリング材が破損したり、サイディングから剥がれてしまっていた場合はシーリングの隙間から水が入り建物を傷めてしまう原因にも繋がります。
サイディング部分の補修
部分的なひび割れの場合は、パテを刷り込んだり樹脂を注入することで応急処置ができます。
サイディングは温度や湿度の影響で収縮と膨張を繰り返すことからサイディング表面にひび割れが発生することがあります。それを放置していると水が入ってきてしまい、サイディングが水を吸い込んでしまうことで劣化がすすんでしまいます。
しかし、ひび割れの補修をおこなったことでその補修した部分が目立ってしまうということもあるので事前に業者に確認をするようにしましょう。サイディングの部分的なひび割れや反り返りであれば、その部分のサイディングのみを張り替えることもできます。
その場合はサイディング自体が生産中止になっている可能性もあるので業者に確認をとることが必要です。
塗装工事
表面の劣化だけではなく色褪せたり、カビが生えてしまうなどの症状の場合、放置してしまうとサイディング材だけではなく建物自体に影響がでてしまいます。
サイディングを長持ちさせるためにも10年に1度は塗装工事をすることがおすすめです。塗料の種類によってどのくらいで塗装工事をしたらいいかは変わってくるので施工業者に確認をとりましょう。
重ね貼り工事/張り替え工事
メンテナンス以外の工事が、反りや浮きがあったり腐食してしまったりした場合は重ね工事や張り替え工事が必要となります。
どちらの工事であっても新しいサイディング貼るので外観をがらりと変えることができます。ただ外壁の地下まで劣化が進行してしまっている場合には重ね張りをすることができないため、張り替え工事になります。
張り替え工事をすると既存のサイディングはすべて剥がすことになるため、目視だけでは確認しづらい部分だったり下地を補修や断熱材も交換可能です。