女性や男性に限らず、職人という仕事は、現代日本では特殊な分野になってしまいました。
建築現場の力仕事の職人は高齢の男性職人さんが多いイメージをお持ちの人も多いのではないでしょうか。
しかし、男性に混ざってバリバリ仕事をしている女性の職人さんは日本中にたくさんいます。
この記事では、女性でも働きやすい職人業のサイディング工事の仕事内容や、サイディング工事が女性でも働きやすい理由をお伝えします。
サイディング工事とは?
サイディングとは建物の外壁に使用する外壁材の一種です。
工場生産ゆえに高品質で均一化された性能とデザインの多様性で多くの住宅に使われているのが特徴です。
サイディング工事とはこのサイディングボードを外壁として住宅の壁に貼る工事のことをいいます。
一方、壁の基材に砂とセメントを混ぜた「モルタル」と呼ばれる材を塗装する手法のことを塗装工事といいます。
現在では圧倒的にサイディングによる外壁塗装の数が多くなっています。
女性の建設業においての就業者数について
総務省の労働力調査によると、平成元年から平成26年の建設業における女性の就業者数の比率は、15%前後となっています。
つまり、建設業における女性の割合は10人に1人か2人です。
建設業になぜ女性が少ないのでしょうか。
いくつか理由をまとめてみました。
女性専用の待機所、トイレ、ロッカーなどがない
現場に女性専用の待機所やトイレ、ロッカーなどの設備がないことは、女性にとって働きにくいため、建設業に女性が少ないひとつの原因となっています。
「女性は現場での仕事は無理」という意識がある
現場のベテラン職人の中には「女性にはこの仕事は無理だ」と決めつけている人も少なからずいるということがあります。
現場の男性が持つこうした意識によって、女性が働きづらい環境になっていることも少なくありません。
産休・育休制度が完備されていない
建設業で働く女性の場合、妊娠・出産によって現場復帰が難しくなることがあります。
特に大きな原因は、産休・育休制度が十分でない企業もあることです。
女性をどのように扱えばいいのか理解していない
長らく男性が大多数を占めてきた建設業の現場では、女性をどのように扱えばいいのか周囲が理解していないことも多いです。
そのため、女性の受け入れ体制ができておらず、女性が働きにくい環境となってしまっています。
女性の受け入れ体制が整っていないことが、建設業に女性が少ない理由として挙げられます。男性優位に偏った現場だと、どうしても多様性や柔軟性が失われてしまうので注意が必要です。
サイディング工事が女性にとって働きやすい理由
女性ならではの安心感
高齢者や女性などは、見知らぬ男性が自宅に入ったり周辺で作業をしたりすることに抵抗を感じる人も少なくありません。
そうした人たちには、作業現場に一人でも女性がいるということだけで、安心感や信頼感を与えることができます。
特にサイディング工事をするような会社は女性が少ないです。
貴重な女性職人は活躍する機会がたくさんあるでしょう。
また、サイディング工事は重いサイディング材を運ばなければならないため、力仕事のイメージ強いかもしれません。
サイディング工事のなかでも力仕事ではない作業もあるので、いくつかご紹介します。
板金工事
サイディング工事の一つに板金工事があります。
建築板金工は、一つ一つの材料を丁寧に切ったり折ったりする作業です。
また、複雑なデザインの建物を扱う場合は、特に手先の器用な方が求められます。
細かな作業は男性よりも女性のほうが向いている場合もあり、女性がいることで工事がスムーズに進むでしょう。
コーキング工事
サイディング外壁のお家には必ずコーキングと呼ばれる部分が存在します。
コーキングは、外壁と外壁の間に充填されている材料で、シーリングとも呼ばれクッションのような役割を持っています。
サイディング材の間にコーキングを充填するのもサイディング工事の一つの作業です。
現場で働く女性のメリット・デメリット
新しい視点で管理ができる
女性が現場にいることは多くのメリットがあります。
女性の視点が建設現場に入ることで、男性社会である建設業界に新たな視点からの現場管理が可能になります。
安全管理ではちょっとした気づきが労働災害の予防に繋がるため、複数の違った目線から管理することは事故防止に効果的でしょう。
人材不足に対応可能
土木や建築工事では施工管理や技能検定など多くの資格があります。
産休や育休などで休みを取ったとしても、資格があれば他の現場や会社での後方支援など、多くの仕事があります。
資格があれば、男女の性別は関係なく仕事ができるでしょう。
女性が働ける環境の整備が必要
女性が現場で働くデメリットとして、今までの環境を新しくする必要があげられます。
新しい試みなので、変わらなければなりません。
産休や育休などの福利厚生、トイレや更衣室が男女別れているなど、女性に配慮した仕組みが必要でしょう。